現金の持ち歩き方
基本的には運ですが
自分のキャッシュカードを使えるATMが無さそうな地域をしばらく旅するときなど、少々大金を持ち歩かなければならない場合が有ります。
僕は、旅の序盤、中南米やカリブの国々を旅している間、日本円にして20万円分のドル紙幣と10万円分のトラベラーズチェックを持ち歩いていました。
南米は強盗や盗難が多いので、さすがに危険と思い、あれこれ対策を練ったおかげか、一度ブラジルで強盗集団に病院送りにされたりもしましたが、お金は無事でした。
数カ月から一年以上に渡る長期の旅をしていると、誰しも一度くらいは何かしらの事件に遭うものです。
僕も一度だけ、エジプトは紅海の町ダハブの海沿いにある、客が自分達しかいないオープンレストランに、閉店間際の深夜1時頃、数百ドル入りの財布の入ったバッグを置き忘れて、5分くらいで直ぐに戻ったのですが、財布から1000円分ほどの現地通貨を抜き取られてしまいました。
しかし、これは完全に自分の間の抜けたミスなので仕方が有りません。
むしろ、財布の中のお金の入れ方についても予防策を取っていたためか、ドルは全く手つかずで助かりました。
とりあえず、まず最初に言ってしまうと、旅中にそういったトラブルでお金を盗られる盗られないは、ほぼ「運」です。
そういってしまったら元も子もないのですが、実際そうなのです。
どんなに巧くお金を隠しても、武装強盗に素っ裸にされ、ケツの穴まで調べられたらもうお手上げです。
呑みこんで胃袋に隠すでもするしか有りません。
逆に、ポケットに現ナマで100万円持って歩いていても、運が良ければ平気です。
ただし、「運」に左右されるそういった事件でも、遭遇する確率を下げることなら可能です。
そのための、現金やカードなどの、所持の仕方(隠し方)の具体策をいくつかお伝えします。
超基本・お金は分散して持つ
例えば僕の場合、最初しばらくは、デイバッグとショルダーバッグ、転がしパック(キャスター付きバックパック)の3点に分散してお金を隠しもっていましたが、途中転がしパックは襲われた時に放り出して逃げられるように、貴重品は入れないようにしたので、主にデイバックとショルダーバックに分けて持っていました。
同様に、数枚持っていたクレジットカードも、それぞれ別の場所に隠し持ちました。
本当は、さらにマネーベルトか何かを腰に巻いた方が良いのでしょうけども、なんとなくムレそうで嫌だったので、まったく使いませんでした。
同様な理由で、首から下げるタイプの貴重品入れも、よっぽどな時しか使いませんでした。
最近の強盗は、マネーベルトの存在を知っているから意味が無いとも言われますが、少なくともスリやコソ泥対策にはなりますので、マネーベルトにいくらかの現金とクレジットカード、キャッシュカードなどを入れて、常に身につけておくのがベストです。
さらに、多くの人は、パスポートもマネーベルトに隠しているようでした。
バックに金を隠す時の注意点
現金やカードは、ぱっと見でそれと分からないように、袋や布などにくるむなどしてから隠すと良いと思います。
さらに隠し場所も、バックの中の、とにかく直ぐに取り出せないような分かり辛いところに隠しましょう。
バッグに内ポケットが有るタイプのものだと便利です。
さらに、一つのバッグの2か所に分散して持つとなお良しです。
そして、少額のドル紙幣と現地通貨が入った財布を取り出しやすい場所に入れておき、基本的にはこの財布だけを使います。
そして、忘れてはいけないものが一つ。
「盗られる為の財布」を用意しておくと良いでしょう。
ここには、少額のドル紙幣(30ドルくらい)と使用不可になっているクレジットカードを入れておきます。
そして、なるべく取り出しやすいところに入れて持ち歩きます。
これは、武装強盗に襲われた時に渡すための財布です。
大金を渡すのはもちろん嫌ですし、かといって「一円も無い」なんて言った日には、撃ち殺されて荷物を探られるかもしれません。
それを防ぐために、もしも武装強盗に遭ったら、下手な抵抗はせずに、その財布をあっさり渡して逃げるなりなんなりしましょう。
30ドルという金額には何の根拠も有りませんが、アフリカで武装強盗に襲われた時に犯人が納得する最低金額がこのくらいという通説(根拠なし)がありますので、一応30ドルとしましたが、これは命を守るための「貢物」的なお金なので、自分で納得のいく額を入れておけば良いと思います。
財布の中でもさらに隠す
僕は、「地球の歩き方」オリジナル財布をメイン財布として使っていましたが、この財布、なかなか便利でした。
特に役に立ったポイントは、写真では見えにくいですが、真ん中にチャックが付いていることです。
ここにドル紙幣を入れていたのですが、このチャックが案外見えにくい。
よっぽどかさ張っていなければ、泥棒がちょっと財布から金を抜き取ってやろう、、なんて行動を起こす時に、若干ですが、お金を守ることに繋がります。暗闇で焦って「作業」をする泥棒には、なかなか気付かれないようなチャックになっています。
僕も、普通に入れていた少額の現地通貨を抜き取られるだけで済みました。
細かいことですが、少しでもリスクを減らせるならば、損はないのでやっておきましょう。
宿でのお金の隠し方
安宿での盗難事件は良く耳にしますし、僕の友人も何人かやられています。
犯人は宿の従業員だったり、他の旅行者だったり、単なる泥棒だったりとさまざまです。
あまり過敏になる必要は有りませんが、直観で結構ですので、「なんとなくこの宿やばそう…」なんて少しでも思ったら、出かける前に、貴重品を隠していくことをお勧めします。
その際、個室ならば、ベッドの裏側に金をテープで貼り付けてみたり、ここは探さないだろう、というところを見つけて隠してみたりも出来ますが、ドミトリーではなかなか難しいものです。
バッグに鍵をかけて、さらにベッドの脚にワイヤーロックで縛りつけて・・・とみんないろいろやっています、が、結局ナイフでバッグを破かれて、財布を盗まれてしまった人もいました。
だいたいそういう場合、狙われるのはサブバッグです。
理屈は簡単です。
パンパンに荷物の入ったバッグパックにパックセーフなどしてあったら、たとえナイフがあっても、それを引き裂いて中から貴重品を探し出すのはなかなか大変です。
もたもたしているうちに持ち主が帰ってきてしまうかも知れません。
そんな時、彼ら泥棒が目に付けるのは、やっぱりサブバックでしょう。
これを置いていく場合、ファスナーに鍵をかけて、バッグごと持って行かれないようにどこかにくくりつけておくくらいです。
さらに、サブバッグに財布を入れている人は多いので、どっちを狙うかといったら、やっぱりサブバッグでしょう。
持ち主が、ちょっと商店に買物に行った隙や、キッチンで夕飯を作っているほんのちょっとの間などに、ささっと、ナイフで破いて、財布やカメラだけ盗って知らんぷりです。
本当に「ちょっとした時」にやられるケースが多いので、ドミトリーでサブバッグに財布を入れたまま放置するのは止めましょう。
また、僕の場合は、ちょっと特殊なやり方で対策していました。
パソコンを入れていたデイバッグに鍵がかからないので、このやり方を思いついたのですが、とりあえず、盗まれたことは有りませんでしたので、紹介しておきます。
基本的に、貴重品はベッドとシーツの隙間や、枕カバーの内側に分散して隠します。
そして、ベッドカバーや毛布を寝て起きた直後のように、ちょっとくしゃっとさせて、物を隠したところの上にさりげなくかぶせます。
そして、その上に、サブバッグの中身や、本やノートなどを散乱させて、さらに、どうどうとサブバッグの口を思いっきり開けっぴろげにして、置いておきます。
あたかも、「バッグをあさって、中身をいろいろ外に出してみた」ような状態にしておきます。もちろん、そのバッグに貴重品は入っていませんが。
こうして、逆に無防備な状態にしておくことで、族の心理に鍵をかけます。
するとどうやら、その無防備過ぎるバッグにどうしても目が行ってしまい、その下にあるお宝には目が行かないようです。
ときどき、その生贄のバッグをあさられたような形跡は有っても、その布団の下や他のバッグをあさられたことは有りませんでした。
まぁ、偶然かも知れませんが、鍵の無いバッグをお持ちの方や、どこにも隠しようがない状況の時などに、やってみると良いかも知れません。もちろん、自己責任でお願いします(笑)
その他、旅で見かけたお金の隠し方
僕がやっていたわけでは有りませんが、みなさんいろいろな隠し方をしていました。
参考までにどうぞ♪
・ズボンの裏側に隠しポケットを縫い付けて、そこに金を隠す。
・ブラジャーの中に隠す
・パンツの内側にマネーベルトを巻く
・靴のインソールの裏に札を隠す
・靴下の中に札を入れて履く
他にもいろいろ有りそうですね♪
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